社会

南洋で鎮魂、誓う不戦 サイパン島で県人慰霊祭 帰還者会訪問は最後に

 【サイパンで謝花史哲】1944年に太平洋戦争で旧南洋群島の住民が地上戦に巻き込まれてから75年が経過した。命を落とした県出身者らを鎮魂する「第50回全南洋群島沖縄県人戦没者慰霊祭」(主催・南洋群島帰還者会)が27日、サイパン島の「おきなわの塔」で開かれた。帰還者やその家族、現地関係者ら約250人が参列した。旧南洋群島で戦禍に見舞われ、犠牲となった1万2千人余の県出身者を弔い、二度と同じ悲劇を繰り返さないと誓った。


旧南洋群島で命を落とした戦没者に哀悼をささげる参列者ら=27日、サイパン

 塔の前には戦没者の遺族らが果物や泡盛、ちんすこうなどの供え物を並べた。飢えや渇きに苦しんだ犠牲者らのために、水が入ったペットボトルも数多く供えられた。南洋群島帰還者会の上運天賢盛会長は「戦争に聖戦はない。多数の住民が犠牲になるだけだ。二度と戦争を起こさないような世界になってほしい。その思いはますます強くなっているが、年にはかなわない。帰還者会の活動は最後にする。申し訳ない。平和が乱れぬようお守りください」と追悼した。

 81年の西銘順治氏以来、2回目の県知事出席となった玉城デニー知事は「肉親や友人の尊い命、築かれた多くの大切なものが失われた。戦没者のみ霊に思いを寄せる時、哀惜の念に堪えない。戦争を通し、その愚かさと平和の尊さを学んだ。この教訓を次世代へ引き継いでいきたい」とあいさつした。

 慰霊祭では奉納演奏や演武などが披露された。