患者搬送、10年で4248件 沖縄県ドクターヘリ 8割が離島から要請


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県ドクターヘリの運航開始10周年を記念して開かれている展示会=28日、那覇市の県庁

 沖縄県ドクターヘリが運航10周年を迎えた。2008年12月から今年7月末までの出動要請は5355件、実際の搬送は4248件となった。うち約8割は離島からの搬送で、早期の医療介入や患者の迅速な搬送で救命率の向上、後遺症の軽減に貢献している。

 ヘリは国と県の補助で、浦添総合病院が運航する。離島の診療所や消防から要請を受けて、有視界飛行ができる日中に沖縄本島と周辺離島などを飛行する。運航開始当初の09年度に279件だった搬送件数は、18年度は463件になるなど活用が進む。消防との連携を深め、09年度に19件だった消防からの要請は18年度は約7・5倍の143件に増加した。

 一方、県内でヘリポートを備えた病院は3カ所しかなく、緊急時に位置情報を知らせる連携など課題も残る。運営する浦添総合病院の米盛輝武・救急救命センター長(50)は「いち早く現場で治療を始め、命を助けて後遺症も残さないようにしたい。ヘリの運航に県民の理解をもっと深めていきたい」と話した。那覇市の県庁1階ロビーで記念展示が開かれている。30日午後2時ごろまで、写真や資料を展示している。