ほぼ完全なカムィヤキ出土 沖国大 金武鍾乳洞遺跡


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ほぼ完全な形で見つかったカミィヤキ=金武町の金武鍾乳洞遺跡(沖縄国際大学宮城弘樹講師提供)

 【金武】沖縄県金武町の金武鍾乳洞遺跡から、陶器のカムィヤキがほぼ完全な形(完形)で出土した。沖縄国際大学の考古学研究室(代表・上原靜教授)の調査で見つかった。カムィヤキは11世紀後半~14世紀にかけて鹿児島県の徳之島で生産された陶器。同大の宮城弘樹講師によると県内では陶器片で出土することが多く、完形で発掘されるのはまれ。

 調査は8月7~19日にかけて、上原教授と宮城講師の指導の下で沖国大考古学研究室の学生24人が金武町教育委員会の協力を得て実施した。

 完形のカムィヤキは金武公会堂裏の鍾乳洞開口部付近から出土した。あまり見られない文様が施されており、宮城講師は「カムィヤキは9割方が波状模様をしている。今回出土した物に描かれていた文様は、窯跡でもあまり見つかっていない。さらに詳しく調べる必要がある」と話した。

 出土した同一層からは中国産青磁器片や土器片などもまとまって見つかっている。カムィヤキは琉球弧の島しょ地域に広く流通していたとされている。