武器のスピード存分 兼城バタ100と2冠 水泳県高校新人


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女子50メートルバタフライ決勝 28秒53の大会新記録で優勝したコザの兼城小椿紀=1日、那覇市の県立奥武山水泳プール(又吉康秀撮影)

 水泳の第37回沖縄県高校新人体育大会は1日、那覇市の県立奥武山公園水泳プールで行い、女子50メートルバタフライで兼城小椿紀(コザ1年)が28秒53で大会記録を更新し、頂点に立った。兼城は女子100メートルバタフライも制して2冠を達成。

 引き締まった表情でスタート台に立った女子50メートルバタフライの兼城小椿紀(コザ1年)。得意のバサロで一気に抜け出し、水面に浮き上がった時には既に他を圧倒していた。タイムは大会記録を5年ぶりに0秒32更新する28秒53。ただ県記録にはあと0秒11届かず「勢いに乗れば県記録も出ると思っていたので、悔しかった」と高い向上心をうかがわせた。

 柔らかい肩関節を生かした豪快なフォームが持ち味だ。武器であるスピードを生かせる50メートルでは「大会新を狙っていた」と、不満を残しながらも最低限の目標は果たした。

兼城小椿紀(コザ1年)

 一方で、兼城がこの日のハイライトに挙げたのは大会記録ではないが、自己ベストに近い1分2秒85で優勝した100メートルバタフライだった。隣りのレーンを泳いだのは、県内の高校バタフライで常にトップを走る佐久田真希(浦添2年)。これまで1回しか勝てたことのない相手だった。

 兼城は前半で一気に抜け出したが、後半は佐久田に猛追される。「真希さんがめっちゃ速くて、力が入った」と緊張を感じたが、粘りの泳ぎで0秒13差で振り切った。「今回勝てたことは自信になった」と達成感をにじませた。大会2冠にも「スタートとターンが苦手で、後半もすごい落ちる」と多くの課題を見詰める気鋭の1年生は、さらなる成長に向けて「普段から課題を意識し、体力を付けられるように練習したい」と気を引き締めた。
 (長嶺真輝)