翁長、デビュー戦で頂点 自動車の競争女子 わずか5カ月、勝利を導いたものは…


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 女性レーサーのみで競う自動車シリーズ「KYOJO CUP(競争女子)」は1日、静岡県の富士スピードウェイ(4563メートル)で今季第2戦を行い、このレースから参戦した翁長実希(KeePer VITA)=浦添商業高―沖縄国際大3年=がデビュー戦で頂点に立った。翁長は20分29秒874で、2位の村松日向子(KNCVITA)と0・241秒差で接戦を制した。競争女子は2017年に世界で初めての女性限定シリーズとして始まった。国内で実績のある女性レーサーが全4戦を競い、シリーズ女王を決める。沖縄県勢の参戦は翁長が初めて。

デビュー戦となる第2戦で頂点に立ち、優勝カップを掲げる翁長実希(中央)=1日、静岡県の富士スピードウェイ(KYOJO CUP事務局提供)

◇粘りの走り、2度抜き返す シリーズ女王へ意欲

 4月に初めて4輪レースに出場してからわずか5カ月。4歳の頃からカートで腕を磨いてきた翁長実希が初参戦の「KYOJO CUP」デビュー戦でいきなり表彰台の真ん中に立った。ただ挑戦はまだ始まったばかり。「優勝は目標にしていたのでうれしいけど、浮かれている感覚はない」。全4戦のポイントで争うシリーズ女王へ、気持ちに緩みはない。

 予選を2位通過し、1位と並んだ縦列の先頭で号砲を待った。慣れない方式のスタートで出遅れ、3位で出たが「必ずチャンスはくる」と、2周目ですかさず先頭に躍り出る。しかし6周目、フォーミュラレース「スーパーFJ」に参戦する予選1位の村松日向子にストレートの加速を利用されて、インからかわされた。

 それでも諦めなかった。「村松さんの走りを後ろで見ていた」と好機をうかがう。距離を詰めたのは7周目。コーナーで膨らんだ隙を突いて同じくインから抜き返した。3位もトップ集団に迫り、最後まで接戦となったが「自分の走りに集中した」と粘り強くポジションを守り、最終の10周回をトップで終えた。

 まだ4輪の経験が浅く、「抜くタイミングなど他のレーサーの走りは勉強になった」と貪欲に収穫も得た。今季残り2戦。「丁寧な運転を心がけ、強いメンタルで戦いたい」と次戦への意欲を語った。