ヒスタミン食中毒って何? 危険なのはシイラだけ?【WEB限定】


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マグロなど赤身の魚は温度管理に注意

沖縄県浦添市内の小中学校の給食で提供されたシイラの魚フライを食べた生徒ら50人余りが、唇や舌のしびれを訴えていたことが分かりました。専門家はヒスタミン食中毒の可能性が高いとしています。このヒスタミン食中毒とは、どんな食中毒なのでしょうか。原因や症状は? 予防法はあるのでしょうか。

■シイラだけではない。赤身の魚が原因

 

厚生労働省や消費者庁によると、ヒスタミン食中毒は魚などを食べた直後から1時間以内に顔や口の周り、耳たぶが赤くなり、頭痛、じんましん、発熱などが起きるのが症状。重症になることは少ないとされています。

 

那覇市を除く沖縄県内では2018年に2件、17年と16年に1件ずつ発生が報告されています。全国では18年に20件発生し、355人の患者が報告されています。

 

ヒスタミン食中毒の原因となるのはマグロ、カジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジなど赤身の魚です。これらの魚には「ヒスチジン」というアミノ酸が多く含まれています。このヒスチジンはヒスタミン産生菌の酵素の働きで「ヒスタミン」になります。そのため、これらの魚を常温で放置したり、不適切な温度管理をしたりするとヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成されます。

 

魚を買ったら冷蔵庫へ

■魚は常温に放置しない

 

ヒスタミンは1度生成されると、加熱しても分解されません。厚労省は

①魚を買ったらすぐに冷蔵庫に保存

②ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多く存在しているので、魚を買ったり釣ったりしたらエラや内臓はすぐに除去

③鮮度が低下した恐れのある魚は食べないこと

④ヒスタミンを多く含む食品を口に入れたときに、唇や舌先に通常とは異なるピリピリとした刺激を感じたら、食べずに処分すること―を呼び掛けています。