米軍に飛行自粛求めず 政府、ヘリ窓落下で県要請に回答なし


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米軍ヘリ窓落下事故に関し、原田憲治防衛副大臣に抗議文を手渡す謝花喜一郎副知事=3日午後、防衛省

 【東京】沖縄県の謝花喜一郎副知事は3日、外務省や防衛省を訪れ、先月27日に発生した米軍CH53E大型輸送ヘリからの窓落下事故に抗議した。謝花副知事は政府が米側に飛行自粛を求めていないことについて「人身や財産に被害、実害があることだけが被害ではない。不安も被害だということをご理解いただきたい」と強調した。県は1週間の運用停止を要請しているが、政府側からこれに関する前向きな回答はなかった。

 謝花副知事はCH53Eが2017年12月に宜野湾市立普天間第二小で窓を、今年6月には浦添市立浦西中学校でゴム製テープを落下させた事故にも触れ、安全管理の徹底がうたわれても事故が繰り返されてきたことを説明した。

 落下の発生に関する県や地元自治体への通報が2日遅れたことにについても「強い憤りを禁じ得ない」として抗議した。

 防衛省で謝花副知事は「不安と不信感が強まっているので、ぜひ安全の徹底を(米側に)申し入れていただきたい」と求めた。対応した原田憲治副大臣は、事故の発生について「誠に申し訳なく思っている」と述べた上で「速やかな通報をしてもらえるように(米側に)申し入れをしたところだ」と説明した。

 外務省で対応した辻清人政務官は米側から同省への一報も1日遅れたことに触れ「こういうことが二度とないよう米側に伝えた」と語った。