対話による解決を 市民提訴で照屋寛之・沖縄国際大学教授


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 行政側が住民を訴えることには疑問を持たざるを得ず、どう喝に近いやり方だ。名誉毀損(きそん)ということだが、行政のやり方に疑問を持つ住民を萎縮させかねない。住民側は行政に対して疑問があって訴訟を提起した。結果的に最高裁で訴えは退けられたが、行政側には引き続き、説明責任が求められる。

 宮古島市は訴訟を提起する理由について「判決確定後も公然と虚偽の主張を繰り返して市の名誉を毀損した」と主張している。住民側のどの主張が事実に反するかを明確に示して説明に当たるべきで、問題の解決には訴訟の提起以外にも方法はあるはずだ。双方に不信感があると推察されるが、住民説明会の開催など対話による解決策を模索すべきだ。

 行政は住民の負託を受けて行われるもので、今回の訴訟提起は民主的な行政とは言い難い。市側にも主張があるのは理解できるが、今回のような訴訟提起では、市民は萎縮し行政と市民の溝は深まるばかりで、宮古島市の将来にとって何らいいことはない。市民の理解を得られるように、丁寧に説明責任を果たすことが市に求められている。
 (照屋寛之沖国大教授、行政学)