非常に強い台風13号は5日、沖縄県の宮古島を直撃し、東シナ海を北上した。宮古島市では窓ガラスが割れたり強風にあおられて転倒したりして30~70代の男女5人が負傷したほか、沖縄本島地方でも宜野湾市で80代女性が転倒してけがをした。宮古島市では市全域の2万5098世帯5万5006人に避難勧告が発表されたほか、沖縄電力によると最大で市内の約8割を超える2万590世帯が停電するなど大きな被害が出た。
沖縄気象台によると台風は久米島を暴風域に巻き込みながら北上。宮古島地方では6日未明まで、久米島では明け方まで猛烈な風や暴風に厳重な警戒が必要だ。本島地方と宮古島地方では潮位が高くなっており、高潮にも厳重な警戒を呼び掛けている。
宮古島市の宮古空港では5日午後0時22分に観測史上最大となる最大瞬間風速61.2メートルを記録。同市平良の市総合体育館では屋根が飛ばされたほか住宅の床下浸水も1件確認されている。沖縄電力によると5日午後10時現在、同市の2万320戸で停電が続いている。暴風域を抜けるのを待って復旧作業を行うとしている。台風が接近している久米島と本島地方では、久米島町と金武町がそれぞれ避難所を開設した。
台風の影響で大気の状態が不安定になっており、7日午前0時までに予想される24時間雨量は、多い所で本島地方が180ミリ。6日にかけて予想される最大風速(最大瞬間風速)は宮古島地方と久米島が25メートル(35メートル)、本島が23メートル(35メートル)、八重山地方は20メートル(30メートル)。波の高さは久米島9メートル、本島と宮古島地方が8メートル、八重山地方6メートル。
5日午後9時現在、台風は久米島の西南西約170キロを時速15キロで北に進んでいる。中心気圧は940ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は65メートル。中心の東側170キロ以内と西側130キロ以内では風速25メートル以上の暴風域となっている。