沖縄アミークスインターナショナル小学校6年の松山航世さん(11)がクラスを巻き込んで、いじめを題材にした映像作品「Bullying(いじめ)」を制作し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。「いじめをなくすための第一歩」として制作を始めてから約1年。撮影当時は男女間のいさかいが絶えないクラスだったが、制作過程で絆が生まれ、今では笑顔で肩を組み合うほど心を通じ合わせている。「現実は映画のようにハッピーエンドとはいかないかもしれないけれど、僕らは一歩踏み出した」。関わった児童らの顔には自信があふれている。
作品は架空の学級で起きたいじめを「ヒーロー男子」が止める物語。
一つのいじめを止めても標的を変えて次々といじめが起きるが、そのたびにヒーローが解決し、いじめられた子はヒーローの仲間になっていく。
松山さんが監督を務め、同じクラスの比嘉えこさん(12)、宮城ありのさん(12)、下地幹太さん(12)=現在は転校=ら18人が出演。5年生の夏休みに校内などで撮影した。映画制作技術を学べる「子供社長クリエイタースクール」の力を借りて5分間の作品に編集した。日本語、英語の字幕で発信している。
制作を通じて、「このクラスで良かった」と言えるほど仲良くなったという。主題歌「ファイト」を作詞作曲した比嘉さんは「心の中にいじめをなくしたいという種が芽生えた」と心の変化を感じた。
作品は校内の人権教育などで活用されている。松山さんは「いじめる側も実は苦しんでいる。いじめをやめることは、相手のためにも自分のためにもなる。作品を見て一歩踏み出してほしい」と話した。
作品のURLはhttps://www.youtube.com/watch?v=5vjlQFi-wHA
(稲福政俊)