害虫ガの幼虫が沖縄本島北部で大量発生 アフリカシロナヨトウ 牧草、サトウキビに被害


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牧草を食べるアフリカシロナヨトウの幼虫=8月21日、本部町(県病害虫防除技術センター提供)

 【北部】外来のガの害虫「アフリカシロナヨトウ」の幼虫が8月上旬から沖縄本島北部で大量発生し、牧草やサトウキビに被害が広がっていることが12日まで分かった。被害が確認されているのは国頭村と本部町、今帰仁村。県内での発生は2010年に国内で初めて確認された多良間村、竹富町以来で、沖縄本島では初めて。葉を食い荒らし畑を丸裸にすることから、県病害虫防除技術センターは被害の拡大防止に向けた早期発見を呼び掛けている。

 アフリカシロナヨトウが2010年に多良間島、竹富島で国内初確認された際には、冬場の寒さを越せずに収束したと見られる。一方で今年に入り、イネ類やサトウキビを食い荒らす外来のガ「ツマジロクサヨトウ」が国内で初確認され、沖縄でも発生が広がってる。県病害虫防除技術センターなどによると、アフリカシロナヨトウもツマジロクサヨトウと同様に、気流に乗るなどして中国大陸から成虫が新たに侵入した可能性がある。

 幼虫は白色で体長は大きいもので4~5センチ。脱皮すると緑や褐色になる。葉に100~400個の塊で産卵するため、早期の局所的な駆除が効果的だという。

 同センターの河村太研究主幹は「大発生したほ場では、壊滅的被害が出る。早期発見に努めてほしい」と話した。
 (岩切美穂、石井恵理菜)