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1978年の改革・開放以降、急速な都市開発が進む旧満州の記録に取り組んできた元報道カメラマンで池宮商会の顧問代表取締役、池宮城晃さん(70)=那覇市=が、80~90年に撮影した中国・大連市の写真データ約千枚を同市の公文書館に寄贈した。同市には開発前の風景を収めた記録写真がほとんどなく、同館の副館長から直々に寄贈依頼が寄せられたという。池宮城さんは「写真は時代を物語る。作品を通し、多くの人に町のたどった歩みを知ってもらいたい」と思いを込めた。
両親が長春市で暮らしていたことから、中国東北地方に強い関心と愛着を持っていた池宮城さん。84年から長春やハルビン市など19都市を訪問し、記録写真を撮り続けた。94年、大連に池宮商会の現地法人を構え、2009年まで同地で暮らした。
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撮影当時の大連は日本統治時代の名残が色濃く残っていたが、急速な開発で景色は瞬く間に変わっていった。収めた写真は旧東清鉄道の事務所や旧大連港などの建造物やそこで暮らす人々の様子、町の風景など。公文書館は池宮城さんの写真は資料価値が高いとして「池宮城晃コレクション」を設け記録保管し、今後インターネット上でも閲覧できるようにするという。
大連は、人々が生活するのに精いっぱいで、日常を切り取った写真があまり残っていないといい、戦後沖縄の姿と重なる。池宮城さんは「私の写真が大連の人々にとって、欠落していた記録や記憶を埋める一助になればうれしい」と話した。
(当銘千絵)
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