「文句を言うから訴訟…あり得ない」 観光が好調な宮古島で起きたことに市民は


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 宮古島市(下地敏彦市長)が、不法投棄ごみ事業を巡る住民訴訟の原告市民6人を提訴する議案の撤回を議会に伝えたことに対し、市民からは「撤回は当然だ」と声が上がった。

 同市平良の下地恵子さん(64)は「市長はここまで騒ぎが大きくなるとは思っていなかったのではないか。撤回は当然だ」と指摘した。「市民を提訴するという議案を、市長の周囲でいさめる人はいなかったのかと恥ずかしく思う。再提案をするべきではない」と話した。

 宮古島市は観光客の増加や建設ラッシュで経済は活況を呈しているが、提訴騒動が島のイメージに与える影響を危惧する声もある。タクシー乗務員の男性(69)は「文句を言うからと訴訟を起こすことはあり得ない。市長の行動は宮古の評判を落とすと思う」と批判した。

 元教員で、今も音楽活動に携わる長濱隆さん(67)は「担当していた職員には有罪判決も出たような出来事だ。これで市民を訴えても、市は自分で自分の首を絞めるようなもので、大丈夫かなと思っていた」と、市の対応を不安げに見守っていた。一度訴えると言った以上、市も「振り上げた拳を下ろせず、困っていたと思う」と分析した上で、撤回について「多少の恥をかいてでも引くという冷静な判断をしたと思う」と語った。