琉球新報社 
石垣市議会が抗議決議で事実と異なるとした箇所は、8月26日に放送されたNHKの「あさイチ」で、配備予定地周辺の水環境を取り上げた場面だ。番組ではその場面の冒頭、配備予定地から約1・5キロの場所にある川と紹介した上で、その川の映像に重ねて「配備予定地周辺は水源地」とのテロップを出し、「配備予定地周辺は川などが流れる水源地で、石垣島の水道水の8割をまかなっている」と音声で流した。
放送直後にNHKに抗議した中山義隆市長や与党市議は、紹介された川が農業用ダムの水源であることや、配備予定地から約1・6キロ離れている場所を配備予定地周辺のように扱うことなどを問題視した。
抗議決議では「自衛隊施設が周辺地域の水質を汚染するとの誤った前提」で報道したと指摘。ただ、具体的な放送箇所については、提案者の長山家康氏が野党側からの質問に対し「番組全体を通して、そのような論調が見受けられた」との説明にとどめるなど、明確にしなかった。
反対討論で野党の花谷史郎氏は「水質汚染の誤った前提については全体的な印象の話だ。また、1・6キロは私にはすごく近く感じる。どこが周辺なのか明確な数字もない中で、わざわざ議会として決議するものではない」とした。
内原英聡氏は「一切の異論を許さないとの同調圧力を感じる。報道を弾圧し、市民の自由な言論活動を抑圧することがあってはならない」と反対した。
一方、賛成討論に立った友寄永三氏は「番組では（配備）賛成派の意見（紹介）が短く、反対派の意見はあまりにも長かった。偏向報道だ」と述べた。
