平均変動率、6年連続で上昇 上昇率は2年連続全国一 観光好調で商業地に根強い需要


この記事を書いた人 問山栄恵
入域観光客数増加を背景に好調な個人消費に加え、ホテル進出が相次ぎ根強い需要がある沖縄県内の商業地

県企画部は19日、7月1日現在の県内基準地価の調査結果を発表した。林地を除く全用途の平均変動率は前年比プラス7・9%で、6年連続の上昇となった。上昇率は昨年に続き全国1位だった。用途別の平均変動率は住宅地がプラス6・3%、商業地が同12・0%、工業地が同13・9%で、いずれも前年を上回った。商業地は1980年以来39年ぶり、工業地は2年連続で過去最高値を更新した。住宅地は4年連続、工業地は5年連続、商業地は9年ぶりに全国1位となった。
 
  全用途の上昇率7・9%は前年の5・0%から今回2・9ポイント拡大。調査が始まった76年以降で、80年の11・9%、81年の9・2%に次いで3番目の高水準だった。特に商業地が前年の7・3%から4・7ポイントと大幅に増加し、上昇率を押し上げる要因となった。1千万人に迫る入域観光客数を背景に個人消費が好調に推移し、ホテルをはじめ県外企業の進出も相まって県内景気は拡大が続いており、商業地の需要につながっている。
  
  県企画部は「県内景気の拡大を背景に住宅地や商業地の需要の高まりがみられ、県全体で全用途平均変動率が前年に引き続き上昇した」と分析している。
  
  1平方メートル当たりの最高価格地点は、住宅地が3年連続で那覇市天久2丁目の30万5千円(プラス16・0%)、商業地が29年連続で那覇市松山1丁目の110万円(同37・3%)となった。変動率が高かったのは、住宅地が那覇市壺川2丁目のプラス27・2%で全国4位、商業地が那覇市松山1丁目の同50・3%で全国2位だった。

  工業地は県内5地点を基準地としており、全地点で前年より上昇した。豊見城市豊崎はプラス30・1%で、2年連続で変動率が全国1位だった。
  
  基準地価は土地取引価格の指標となり、公共事業用地の適正な取得価格の算定、相続税や固定資産税評価の目安などに用いられる。県内の基準地数は41市町村の284地点(住宅地193、宅地見込地5、商業地77、工業地5、林地4)となっており、昨年から5地点を増やした。【琉球新報電子版】