国保税、引き上げへ 来年度、宜野湾市と西原町 議会へ改正案「制度持続へ見直し」


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宜野湾市議会議員(手前)に対し、国保税見直しについて説明する松川正則市長(中央)ら市当局=6日、市議会

 【宜野湾・西原】宜野湾市と西原町は6日、2020年度から国民健康保険税を引き上げる条例改正案を、両議会9月定例会に提出した。税収増は宜野湾市が約1億2千万円、西原町は約6千万円を見込む。可決されれば宜野湾市は1996年度以来、西原町は2018年度に続く改定となる。

 引き上げ幅は所得や世帯人数で異なるが、宜野湾は1人当たり約6千円増額を目安に税率を設定。モデル世帯として、1年の所得が89万円の2人世帯(うち1人は40歳以上)の年額は、1万200円増の10万8900円の試算となる。西原は1世帯当たり平均、年額約13万7千円から1万5200円アップし、約15万2200円となる見通し。

 国保は高齢化に伴い医療支出が増加。一方で被保険者は年々減少し、低所得者が多く税の確保が難しくなっている。国保は徴収は市町村、支払いなどの財政は昨年から県が担う。県は24年度までに国保税の全県統一を目指すとしている。

 宜野湾の1人当たり医療費は18年度は、13年度比約1・2倍(5・1万円)増の約31・4万円。被保険者は同5249人減の2万6439人だ。18年度は一般会計から国保の特別会計に4億7639万円繰り入れたが、3億9363万円の赤字決算となった。現状では22年度の単年度赤字は約6・5億円、累積赤字は約27億円と見込む。09~18年度の10年間の繰り入れは総額約70億円に上るという。

 市は市国民健康保険運営協議会の答申などを踏まえ、改正案上程に至った。市の比嘉直美健康推進部長は6日の本会議で「一般会計との負担の公平化を図り、制度を持続可能にするため国保税の見直しを行う」と述べた。本会議後、松川正則市長や担当課は市議全員に改めて資料提供をして状況説明をした。