那覇個人タクシー事業協同組合(大嶺功理事長)の女性事務員(45)が旅行社から支払われるはずのタクシー代金約1537万円を横領した疑いがあることが19日までに、同組合への取材で分かった。事務員は旅行社から手配されたタクシー運転手に直接現金を支払う担当だった。2014年から今年5月までの間、タクシーの手配があったと偽って組合の経理担当者から金をだまし取っていたという。同組合は刑事告訴も検討している。
事務員は06年ごろから同組合に勤務。配車業務や旅行社からの手配を担っていた。架空発注は複数件あり、組合によると被害額は少なくとも約4900万円に上るという。そのうち約3300万円は旅行社を装って定期的に入金していた。組合は発覚を免れるための入金とみている。
横領疑惑は監査で発覚した。組合が事務員に確認すると、架空のタクシー発注を繰り返し、運転手に支払う代金をだまし取っていたことを認めた。金は生活費に充てたと話しているという。事務員は5月以降、自宅待機処分となっている。
大嶺理事長は「旅行社や組合員を不安にさせ申し訳ない。組合員が汗水垂らして働いた金を少しでも返してほしい」と訴えた。
組合はこれまで事務員に返金交渉を要求。8月末には豊見城署に被害届を提出し、刑事告訴も検討している。