【東】東村高江区の豊年祭が13日、同村の高江公民館で開かれた。区民など総勢30人が出演し、長者の大主や繁昌節などの琉球舞踊から、フラダンスまで12演目を熱演した。村外からの来場者も含めて約70人が詰め掛け、小さな集落が熱く盛り上がった。
高江の豊年祭は3年に1度開かれているが、前回は米軍ヘリパッド建設の再開などがあったため、中止となった。今回の開催は6年ぶりとなる。
今回、高江成人会によるオリジナルの演劇「パイン太郎」が初めて上演された。
パイン太郎がイノシシやヤンバルクイナ、動物園から逃げ出したサルと一緒に、村を開発しようとする悪徳業者を説得し、考え直させるというストーリー。ヒップホップダンスの指導をしている崎間格さん(37)がおばあ役の格好で激しいダンスを踊ると、拍手と歓声が上がった。パイン太郎とイノシシたちの掛け合いにも笑い声が広がった。脚本を手掛けた荘司剛さん(40)は「分かりやすさを心掛けた。1カ月前から週に1度みんなで集まって話し合って作った」と振り返った。
「ダイナミック琉球」の曲に合わせて勇壮な演舞を披露した開邦高校1年の仲原航生さん(15)は小中学生時代を高江で過ごした。「地域の人と交流する機会があって田舎っていいなと思った。また出たい」と声を弾ませた。
生まれも育ちも高江の西銘芳さん(90)は、久しぶりの豊年祭に「昔を思い出した。最高」と喜んだ。仲嶺久美子区長(69)は「観客は少ないと思っていたが、たくさん来てくれた。楽しんでもらえてよかった」と話した。