沖縄県内鶏卵、価格高騰 千葉の台風被害で不足 Mサイズ平均204円


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出荷前に選別作業が行われる鶏卵=24日、うるま市字川田の県鶏卵食鳥流通センター

 千葉県を襲った台風15号の影響で沖縄県内の鶏卵価格が高騰している。鶏卵の主要産地である千葉で、台風被害で鶏舎が全壊したほか、換気扇が壊れて鶏が死んだ。鶏卵の供給量が不足して首都圏を中心に鶏卵価格が上がり、九州・沖縄エリアにも影響が及んでいる。9月の県内鶏卵相場価格(Mサイズ規格、キロ単価)は平均204円で、8月の平均価格と比べて17円の高値となった。

 今月24日現在の県内の相場価格は220円で、8月と9月の平均を上回り今年に入って最も高い価格になった。夏場は鶏卵供給が落ち込む時期で、台風被害が加わったため相場価格の高騰に拍車を掛けた。

 鹿児島県など西日本の鶏卵が東日本に流れるなど、通常と異なる流通環境に陥っていることも価格高騰の背景にある。県内の鶏卵相場は福岡の市場価格を参考に輸送費などを加味して決まる。福岡の市場価格が上昇しており、県内市場価格も激しく変動している。従来、鶏卵の価格変動は1カ月に2回ほどだが、今月は既に4回変動が見られる。

 これまで県内の鶏卵農家は、全国的に鶏卵が供給過多だったことで価格低迷に苦しんできた。1千万羽規模の大規模生産を行う企業の影響で飼養羽数が増え、需給バランスが崩れたことで、県内農家にも価格低迷のしわ寄せが生じていた。千葉の台風被害を主因とした価格高騰はしばらく続くと見られる。

 県鶏卵食鳥流通センターの知花一弘統括部長は「沖縄の農家としては卵価が持ち直して助かったかもしれない。しかし、価格上昇の影響を受けるのは末端の消費者だ」と話した。