平和な国へ司法の力貸して サイパンで家族失った91歳女性 安保法違憲訴訟で証人尋問


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 集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法は憲法に違反するとして、沖縄県内在住の戦争体験者や米軍基地、自衛隊基地周辺の住民ら82人が国を相手に国家賠償を求めた訴訟の証人尋問が24日、那覇地裁(平山馨裁判長)であった。証言台に立った宜野湾市の横田チヨ子さん(91)はサイパンで父と兄を失った戦争体験を話しながら「戦争のない平和な国にするために司法の力を貸してください」と訴えた。次回は12月24日に開かれる。

 沖縄平和委員会の大久保康裕さん(56)、沖縄戦で生後3カ月の兄を亡くした大城絹枝さん(68)、自衛隊配備が進む宮古島市の岸本邦弘さん(58)=医師=も証言した。大久保さんは日米軍事一本化が進み、平和的生存権が脅かされると主張。大城さんは「若い人に戦争をさせたくない」と話し、岸本さんは「自衛隊配備によって相手から攻撃されれば、一般住民が巻き込まれる」と危機感を語った。