沖縄県内の髙い出生率の要因について、南西地域産業活性化センター(NIAC、大嶺満会長)は25日、国勢調査や人口動態統計などのデータを用いて分析した結果を発表した。沖縄は女性の若年層で既婚者の割合が全国を上回っており、結婚している女性の出生率も高くなっているため、全国的に少子高齢化が進む中でも高い出生率を維持している。
1人の女性が生涯に生む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、2018年に沖縄が1・89と全国平均の1・42を大きく上回り、全国最高を記録している。結婚している女性の出生率は、人口千人当たりで沖縄が111・6人となっており、全国の78・9よりも大幅に高い。出生率が高い20代など若年齢層で、女性が結婚している割合「有配偶率」が全国平均より高いことも、高出生率につながっている。若年齢層の結婚している女性の出生率が高いと、年齢的にも第2子以上の出生率が上がるという。結婚していない男女間の子(婚外子)の出生数に占める割合は沖縄が約4%と、全国の約2%に比べて高いことも要因となっている。
1972年の復帰直後ごろの第2次ベビーブーム世代以降の女性人口が減っていることから、有配偶率や出生率が大幅に上昇しない限り、今後の出生数は減少が続く可能性がある。
NIACの金城毅上席研究員は「県内では若年での結婚・出産や婚外子なども多い。貧困対策や教育支援などの政策が必要とされている」と話した。女性が能力を発揮する環境を求めて都市部に出て行く例も他県では多いとして「女性が働きやすく、能力を発揮しやすい環境を整備しないと地方から女性がいなくなり、さらに出生率が低下していくことになる」と指摘した。