バス減便で授業早退 定時制生徒帰宅に影響 県教委、バス協会へ増便要請 


この記事を書いた人 Avatar photo 高良 利香
通勤、通学などで多くの県民が利用する路線バス=2019年6月、那覇市泉崎の那覇バスターミナル

 沖縄県内のバス会社が人材不足で減便したことを受け、県立高校定時制に通う一部の生徒が帰宅時に交通手段を確保できず、授業を早退せざるを得ない状態になっていることが26日までに分かった。県教育委員会の調査によると、最終便の繰り上げなどで帰宅に影響を受けた生徒はコザ5人、中部農林4人、泊1人の計10人。学校は対応策として保護者に送迎を呼び掛けたが、送迎が難しい生徒に関しては早退を許可したり、時間割を早めることで対応しているという。

 26日に開かれた県議会代表質問で、狩俣信子氏(社・社・結)の質問に県教委の儀間秀樹統括監が答えた。県教委は24日、バス協会に増便に向けた協力を要請したという。

 県教委によると、今回の調査で影響のあった生徒の実数として報告された人数のほかに、増便があればバス通学を利用する可能性のある生徒は中部農林で22人いるという。

 中部農林は昨年10月に最終便が早まったことを受け、今年3月にダイヤの復活を求め、校長とPTA会長が連名でバス会社に要請した。しかしダイヤは変わらず、4月から授業開始時間を10分早めて対応している。課外活動に充てている5校時ができないため、秋の大会に出場する部活動が半減するという。10月以降は、ロングホームルームの時間を早めるなど時間割変更も検討。同校の喜友名朝睦教頭は「保護者も常時送り迎えができるわけではないので、親戚や友人を頼る生徒もいる。部活動を諦める生徒もおり、影響は大きい」と話した。コザ定時制課程の知念史尚教頭は「最後まで安心して学習してほしいが、安全面の考慮もあるので心苦しい」と話した。