暗記頼みより思考力を 興南高で「覆面講師」が数学授業


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
プロレスラーに扮し、数学の授業を行う講師陣=那覇市古島の興南高校

 沖縄県私学教育振興会はこのほど、数学の指導で定評がある県外の講師を招き「数学教員指導力向上対策研修会」を那覇市旭町の県市町村自治会館で開催した。講師陣は研修会前に興南高校で授業も行い、新大学入試の対策も伝えた。

 興南高校を訪問したのは、覆面の講師として全国を飛び回る数理哲人氏とシヴァ神氏、京都府の中高一貫校・東山中学校・高校の鶴迫貴司教諭ら。1、2年生の希望者16人が数学の講義を受講した。

 講師陣は覆面レスラーとして登壇し、チームティーチングで講義した。講義の途中で「テスト問題を解くには何でも暗記すればいい」と豪語する「暗記仮面」が登場。暗記だけではなく、問題を読み解いて思考力を深めることが大事だと説く覆面の講師が「暗記仮面」を懲らしめ、ストーリー仕立てで大学入試の変化を伝えた。

 暗記仮面に扮した数理哲人氏は、興南高校での授業や教師向けの研修会で「数学はこれまで問題を解くハウツーばかり教え、作業的数学観が生まれた。覚えたものは忘れてしまう。暗記仮面は反面教師だ。どういう仕組みなのかを知ることで感動が生まれる。根本的なことを伝えないといけない」と話した。