100人超が避難、交通もまひ 台風18号、石垣で暴風 今年で5個目、住民「もういい」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
強い風にあおられて倒れた街路樹=30日午後5時半ごろ、石垣市大浜

 【八重山】強い台風18号が接近し、30日早朝に暴風警報が発表された八重山地方では午後から暴風となり、激しい雨と風が大きな音を響かせた。八重山全体で最大100人を超える住民らが避難所に身を寄せ、疲れた表情を見せた。交通機関もまひし、観光客にも影響を与えた。

 先島に接近する台風としては今年5個目となる台風18号。石垣市内では午前中は営業する店舗もあったが、風雨が強まった午後からは多くの店舗が臨時休業し、街は閑散とした。激しい雨と風に街路樹は揺れ、倒木も確認された。夕方からは日没も重なって視界が悪くなり、街を走る車も減った。

 避難所は石垣市内に2カ所、竹富町内に21カ所、与那国町内に2カ所が設置された。石垣では午後7時現在で最大80世帯83人、与那国では建設作業員24人を含む25人が避難した。竹富町では避難する住民はいなかった。

 石垣市健康福祉センターに午前9時ごろ避難してきたという川満節子さん(61)は「独りで住んでいるので風雨が強くなると怖くなる。(台風15号で大きな被害があった)千葉のこともあるし、早めに避難した」と話し、「センターに避難するのは今年2回目だ。台風はもういいです」とため息をついた。

 石垣空港を発着する全便と、石垣島と周辺離島を結ぶ全船便も欠航となった。午後からバスも運休した。

 大阪府から家族旅行に訪れた西川満則さん(38)は「離島巡りを昨日に繰り上げたので良かった」と話した。妻の茉由子さん(31)は「9月の終わりで台風シーズンは終わっているかと思っていたけれども、仕方がないので、ホテルに“缶詰”になるのを楽しみたい」と苦笑した。