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沖縄とメキシコ、ルーツつなぎ22年 琉球國祭り太鼓支部長「太鼓通じ、心が満たされる」


沖縄とメキシコ、ルーツつなぎ22年 琉球國祭り太鼓支部長「太鼓通じ、心が満たされる」 琉球國祭り太鼓メキシコ支部のメンバー
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 琉球國祭り太鼓メキシコ支部が2001年に設立されて22年目を迎えた。日系人やメキシコ人が活動する中、支部長の仲村春美さんと副支部長の山入端博美さんが団体の歴史と活動への思いを語った。

 メキシコ支部は1999年に「沖縄の太鼓」として活動を開始した。琉球國祭り太鼓北海道支部の荻野民子さんが国際協力機構(JICA)ボランティアとして滞在中に、エイサーを教えていた。若い県系人を集めてエイサーを踊ることが目標だった。

 01年に本部から許可を得る目的で、メンバーの古波蔵裕美さんが沖縄を訪れ、正式登録された。「日系ウチナーンチュのグループを作るのが夢だった」という、裕美さんの父・古波蔵求さんのサポートもあったという。

 初代の仲村春子さんから始まり、仲村ロベルトさん、古波蔵裕美さん、飯田博子さん、仲村春美さんが支部長を務め、歴史をつないできた。

 メンバー21人のうち日系人は12人。11歳の子どもから大人までが週に1回の練習に励み、沖縄や日系関係の行事、メキシコ各地のイベントに出演している。

 5代目支部長で3世の仲村春美さん(40)は、会計士として働きながら活動に参加している。ルーツは名護市にある。活動動機は「メキシコにいるけど祖先のことを思い出す。祭り太鼓を通じていろんな国の人たちとつながることができて、心が満たされる」と話す。「活動を一番喜んでいるのは母」といい、「自分の娘や孫がエイサーをしている姿を見て幸せを感じているようです」と、近くで見守る母の存在が心強いと伝えた。

 副支部長で3世の山入端博美さん(22)は大学生で名護市がルーツだ。「自分のルーツの沖縄とつながることができる。おばあちゃんのルーツがあるので自分も沖縄を感じている。今まで受けたものに関して恩返ししたい」と話した。

(安里三奈美通信員)