有料

中国地震、8万人避難 死者130人超、被災地に寒波


中国地震、8万人避難 死者130人超、被災地に寒波 がれきでふさがれた道路=20日、中国甘粛省臨夏回族自治州積石山県
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 【積石山県共同】中国甘粛省臨夏回族自治州積石山県を震源とする地震で、省政府当局者は20日に記者会見し、約8万7千人の住民が避難したと明らかにした。猛烈な寒波で気温が氷点下10度を下回る中、避難所は寒さ対策が課題となり、当局は対応を急いだ。

 隣接する青海省の死者は21人に増え、甘粛省と合わせた犠牲者は計134人。負傷者は計約千人で、青海省では十数人が行方不明となっている。国営メディアが伝えた。

 甘粛省政府は20日までに約7千個の暖房器具を避難所に導入した。石炭も次々と運び込まれ、仮設テントの中では住民が石炭ストーブで暖を取っていた。当局者は一酸化炭素中毒を防止するため、テントを閉め切らないよう呼びかけた。人民解放軍の兵士らがテントの設営を進め、ボランティアがカップ麺や風邪薬、飲料水を提供した。

 積石山県の女性(66)は自宅が損壊して水が確保できず、息子夫婦と孫4人の計7人でテントに避難した。ストーブで厳しい寒さには耐えられるが「余震が続いて怖い」と話した。

 避難所近くの集落に住む趙登才さん(40)はこの2日間は自宅で過ごしたが、停電のために夜は毛布にくるまって寒さをしのいだ。自宅の壁は地震でひび割れ「何から手を付ければいいのか。今は何も考えられない」とうつむいた。

 中国外務省によると、習近平国家主席は20日、ロシアのミシュスチン首相と北京で会談し、世界の指導者からの見舞い電に謝意を表明。各国が支援を申し出ているが、習氏は「物資は十分ある。中国共産党の指導下で人民は災害に打ち勝ち、再建を果たす」と述べた。

 中央政府は復旧のため、2億5千万元(約50億円)、共産党は1億元の支出をそれぞれ決めた。