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ミャンマーの現状、映像で伝え「民主化」語り合う 現地で拘束経験者らが上映会 沖縄・糸満


ミャンマーの現状、映像で伝え「民主化」語り合う 現地で拘束経験者らが上映会 沖縄・糸満 ミャンマーの現状を、映像作品の上映を通じて伝えたジャーナリストの北角裕樹さん(右)、ドキュメンタリー作家の久保田徹さん(中央)ら=7日夜、糸満市内
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 【糸満】3年前の国軍によるクーデターを機に、戦闘状態が続くミャンマーの現状を伝える催し「ドキュアッタン ゆんたくシアター」が7日、糸満市内で開催された。ミャンマーで拘束された経験があるジャーナリストの北角裕樹さん、ドキュメンタリー作家の久保田徹さんらが同国の映像作家らの短編作品を上映。在沖ミャンマー人と日本人ら約20人が、民主化を求める国民の抵抗について語り合い、思いを共有した。

 クーデター以降、ミャンマーでは国軍と、若者らでつくる民主派武装組織などとの戦いが長期化する。言論や表現も厳しく制限され、同国のジャーナリストらは国軍から身を潜めながら、国外に現状を発信し続けている。北角さんらは昨年2月、同国のジャーナリストや映像作家の作品を紹介し、支援につなげるウェブサイト「ドキュアッタン」を開設した。

 この日は久保田さんの作品も含め8本を上映。北角さんは「多くの日本人に、身近で暮らすミャンマー人の経験を知ってほしい」と語った。

 ミャンマー出身の30代女性は「政治に興味がなかったが、クーデターを機にデモに参加し、頭上を銃弾が飛び交った。映像を見て体験がフラッシュバックした。日本で稼ぎ(民主化運動を)支援していく」と涙を浮かべ語った。別のミャンマー人女性は民主化について「もうだめだという人もいるが、成し遂げると信じている。日本人の支援が力になる」と力を込め、30代男性は「地元では4月末から5月上旬にかけて住民76人が国軍に一気に殺された。現状を知ってほしい」と訴えた。

 (岩切美穂)