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アフリカマイマイ 沖縄移入の歴史解説 研究者・濱口さん


アフリカマイマイ 沖縄移入の歴史解説 研究者・濱口さん アフリカマイマイと人との関わりについて説明する中城村護佐丸歴史資料図書館の濱口寿夫館長=日、県立図書館
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県立図書館(那覇市泉崎)で開催中の企画展「アフリカマイマイのはなし~害虫と呼ばれたカタツムリ~」の講演会が28日、同館であった。アフリカマイマイなどを研究している中城村護佐丸歴史資料図書館の濱口寿夫館長が講師を務め、県内に定着した経緯などを説明した。
 濱口館長によると、アフリカマイマイは東アフリカが原産で、県内には1934年ごろに持ち込まれた。田澤震五という人物が、投機目的で大学教授から4匹のアフリカマイマイをもらい受けたことがきっかけ。台湾で食用として販売を開始後、気軽に飼育ができるなど、県内外で養殖ブームが起き、各家庭や農園などで飼育されたという。繁殖力が強く、農産物に被害をもたらすなどとして、日本政府は36年にアフリカマイマイの輸移入を禁止するが、県内では沖縄戦終結後も貴重なタンパク源として各家庭で飼育された。
 講演では濱口館長が重さ238・5グラムにもなる生きた巨大なアフリカマイマイを披露し、来場者を驚かせた。濱口館長は「寄生虫に感染するなど恐れられているが、戦争直後は県民の貴重な栄養源にもなった。アフリカマイマイのことをもっと多くの人に知ってほしい」と話した。
 企画展は、同館5階の展示エリアで、11月6日まで。 (金城実倫)

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