沖縄県は28日、ジェンダー平等や多様性のある社会づくりの先進地として知られる台湾から教育関係者を招き、「県男女共同参画シンポジウム~ジェンダー平等の未来を築くために」(県主催)を那覇市の県立図書館ホールで開催した。115人が参加した。国立高雄大学の陳月端(チンユエチュエン)学長は「台湾のジェンダー教育」について基調講演し、子どもが小さい頃からジェンダー平等意識を養うことが大事だと指摘。「社会全体で実質的なジェンダー平等を図り、人権の多様性を守るべきだ」と語った。
陳学長は台湾のジェンダー主流化、ジェンダー平等教育、関連法律について紹介した。2019年に、台湾がアジアで初めて同性婚を合法化したことを例に挙げ、実質的平等のためには法律の制定が大事だと強調した。
パネル討議では陳学長のほか、高雄大国際部長の呉行浩(ウーシンハオ)さん、県教育委員会委員の蔵根美智子さん、県出身で高雄大に留学中の杉岡風希(ふうき)さんらがジェンダー教育について発表し、意見を交わした。杉岡さんは留学前、LGBTの人々を受け入れることが難しかったと赤裸々に語り「台湾での留学生活を通して、性的指向が異なるだけでLGBTの人々も私たちと同じ個人であると理解した」と笑顔で語った。
(與那原采恵)