沖縄市にある自宅。玄関を抜けるとパソコンとベッドが置かれた部屋がある。ヘッドセットを着け、オンライン上で職場のメンバーと楽しく談笑するのはスタッフサービス・クラウドワークの玉城侑武(ゆうむ)さん(23)=同市。パソコンの電源をつければ自宅が仕事場へと変わる。
玉城さんが勤務する同社は通勤が困難な重度身体障がい者が就労する。新型コロナ前の2016年1月から完全テレワーク就労を実施している。
21年6月に入社しマーケット調査をする。先天性の脳性まひで車いすの生活を送る。18~21歳までの間は、就労継続支援B型事業所に通所していた。仲の良い先輩が先に同社に勤務していたこともあり、魅力を感じ入社した。「通勤が難しい人にとって在宅勤務は助かる。給料をもらうとよりやりがいを感じる」と語る。
在宅勤務の課題である孤独感を解消するため、1日に3回、チームでオンラインミーティングをすることが同社の特徴だ。チーム内の体調確認と業務の相談に加え、10分間の雑談をすることが必須になっている。九州エリアの9人が地元の食べ物や天気の話で盛り上がる。「毎日顔を合わせるので孤独感は感じない。車いすの人同士で悩みも共有できる」と魅力を語る。11月22日には県内の従業員が対面で顔を合わせる「エリアミーティング」があり、玉城さんも出席した。
九州エリアマネジャーの浅井麻樹さんは「周りのことを常に考えて仕事に励んでいる。誠実で愛されキャラです」と玉城さんの人柄を語る。
「健康で長く仕事を続けていきたい」と話し、再びパソコンに向かった。
(渡真利優人)