糸満署(眞榮城嘉世署長)は27日、還付金があるなどとして現金をだまし取る特殊詐欺の被害を未然に防止したとして、JAおきなわ東風平支店貯金課の課長比嘉恵美さん(47)と高良里佳さん(34)に感謝状を贈った。眞榮城署長は「詐欺被害を絶対に防ごうという思いに感服した。引き続き、積極的な声掛けをお願いしたい」と話した。2人は同日に2件の特殊詐欺被害を防止したという。
糸満署によると21日昼ごろ、60代女性2人が立て続けに、八重瀬町の同支店に現金振り込みに訪れた。いずれも役場職員を装った男から「還付金があるので通帳とキャッシュカードを持って今日中に銀行へ行くように」などと電話を受けた。男はATMに誘導し、金を振り込ませようとした。比嘉さんと高良さんは女性に声を掛け、話の内容がニュースで見た詐欺被害と類似していたことから、振り込みをとどまるよう働きかけたという。
窓口で1人目の女性を説得した比嘉さんは「今回はお客さまから声を掛けてくれたので未然に防げた。迷ったら1人で悩まず、気軽に職員に声を掛けてほしい」と話した。
県警によると、12月に入り県内各地で還付金詐欺とみられる電話が相次いでいる。県警は「ATMでお金が返ってくることは絶対にない。電話で金の話が出たらすぐに家族や警察に相談してほしい」と呼び掛けている。
(西田悠)