沖縄県医師会の新会長に20日、首里城下町クリニック第一院長の田名毅さん(58)が就任する。5月16日の臨時代議員総会で選出され、全国最年少の都道府県医師会長となった。「若手、ベテラン、開業医、勤務医が団結し、問題解決にあたる『動ける医師会』を全国に先駆けてつくりたい」と意欲を見せる。
課題に挙げるのは、時間外受診をする軽症の子どもが多い沖縄の現状だ。「救急外来の当直医が重症者に対応できなくなる。救急医療を守る必要がある」と田名さん。小児科や内科、耳鼻科と協力し、小児医療の新たな体制の構築を目指す。
「コロナ禍で進んだ役割分担を進展させたい」とも。高齢患者が救急外来に搬送された場合も、治療方針が決まれば関連医療機関にゆだねたり、もといた福祉施設に戻れるよう支援し、さまざまな連携強化を図る。
自らの強みを「調整力」とする。「県の幹部も今なら同世代。医師会と県の協力を深めたい。財界や政治とも、思想ではなく地域医療のために必要なことを話し合う」
任期は2年。多忙を極めそうだが、院長を務めるクリニックでの診察は続ける意向だ。「患者さんと会って元気をもらっていますから」
(宮沢之祐)