自衛隊に処分「不適切」 県、勝連分屯地保安林巡り


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地で、県知事の許可なしに保安林が伐採開発された疑いがある問題で、県は8日、保安林は米軍が伐採したとして「自衛隊に監督処分を課すことは適切ではない」との認識を県庁で面談した市民団体に示した。日米地位協定に基づき、米軍に監督処分を課すこともできないと説明した。県は弁護士から保安林の指定区域を解除する意見もあるとして「県三役とも調整して今後の取り扱いについて協議している」との見解を示した。
 防衛省は2023年度に勝連分屯地に12式地対艦誘導弾部隊を配備する計画を示しており、保安林が存在する場所に弾薬庫などが立地する。
 県などによると、分屯地内の保安林は1912年に旧森林法に基づいて指定区域にされたが、73年に自衛隊が米軍から分屯地を引き継いだ時点では樹木はすでになくなっていたとされる。
 県は日米地位協定に基づき、米軍は施設返還後に原状回復義務を負わないと説明。その上で保安林は長期間、森林状態ではないことから復旧することは困難で民間地でもないことから自衛隊に復旧命令などの監督処分を課すことは社会通念上、適切ではないとの見解を示した。 (梅田正覚)