prime

平良孝七図録 在庫処分へ 検証チームが中間報告


平良孝七図録 在庫処分へ 検証チームが中間報告 沖縄県立博物館・美術館(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県立博物館・美術館の平良孝七展で図録の誤りなどがあった問題で、同館は13日、写真家らでつくる「平良孝七展の修正を求める会」に、問題に関する検証チームの中間報告案を明らかにした。中間報告案で、同館は図録の在庫約1200冊を処分するよう出版社に要望する方針を示した。既に図書館などに配布したり一般販売したりした約800冊については回収せず、検証内容を図録の別冊として配布する方針。

 出版社は取材に対し、同館の方針に従い在庫を処分する考えを示した。処分に伴う損失の穴埋めを同館に求める考えはないという。

 検証チームは、修正を求める会の抗議・要請を受けて同館が設置した。同館職員11人と外部識者3人で構成する。外部識者は仲本賢県立芸大教授、元県立博物館・美術館副館長の前田比呂也さん、元県文化振興会職員の豊見山和美さん。

 修正を求める会は、既に図録を配布・販売した機関などに検証内容の冊子を配布するのではなく、誤りを修正した改訂版図録を発刊するよう改めて要請した。平良さんの作品に詳しい写真家などを検証チームに加えることも求めた。

 図録の発行元は出版社になっているが、出版社側は取材に「発行元は美術館で、こちらは印刷を請け負い、編集を部分的に手伝うという認識だった」としている。検証の結果、図録について同館と出版社で役割分担や責任の所在を明記した文書を取り交わしていなかったことも判明した。

 図録には平良さんが撮影していない写真を平良さんの写真とする誤りがあった。中間報告は週明けに同館ホームページに掲載する予定。最終報告は年内にまとめたいという。

(伊佐尚記)