ゴルフ場計画で石垣市を提訴 開発に反対する市民団体 天然記念物カンムリワシの営巣地


ゴルフ場計画で石垣市を提訴 開発に反対する市民団体 天然記念物カンムリワシの営巣地 石垣市役所(資料写真)
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 リゾートホテルなどを手掛けるユニマットプレシャス(東京)が石垣市で計画するゴルフリゾート開発を巡り、開発に反対する市民団体「カンムリワシの里と森を守る会」が15日、市に対し同社に市有地の譲渡や賃貸をしないことを求める住民訴訟を那覇地裁に提起した。原告メンバーらが同日、那覇市の県庁記者クラブで会見した。

 原告は、市管理の「石垣市民の森」を含む市有地を市が事業者に無償で提供する予定があることを問題視。市民が森林と触れ合うことなどを目的とする市民の森条例や、対価なく自治体財産を処分することを禁ずる地方自治法に違反するとしている。

 開発区域内には国特別天然記念物カンムリワシの営巣地があり、生態系を破壊する恐れがあることも指摘した。

 弁護団団長の籠橋隆明氏は、行政行為に違法性があると指摘し「時代に逆行した開発行為と言わざるを得ない。自然の代弁者として訴えていく」と語った。

 「アンパルの自然を守る会」の島村賢正共同代表は「生態系を守ることは石垣市民を守ることにもつながる」と、自然環境の保護と訴訟の意義を強調した。

 (渡真利優人)