【大宜味】対馬丸事件の語り部で、7月29日に88歳で死去した平良啓子さんのお別れ会が17日、大宜味村農村環境改善センターで開かれた。平良さんが世話人代表を務めた大宜味村憲法九条を守る会が主催した。交流のあった関係者や親族など約70人が参列し、平良さんの冥福を祈った。
追悼の言葉を読んだ、九条を守る会事務局の金城文子さんは「突然大黒柱を失った悲しみはなかなか消えない。再び戦争をしない、させないという私たちの願いが、平和の鐘の響きに乗り広く遠くまで届くよう天国から応援してください」と声をつまらせた。同会会員の越智翠さんは「明るくて慎み深く、時に凜(りん)とした声は今も私たちの胸に強く残っている」と思い出を振り返った。
娘の松本安子さんは「大勢の人に慕われ、死を惜しんでもらった人の娘で本当によかった。母の姿はないが、これからも私たちや皆さんの行動を見守って応援してくれると信じている」と涙ながらに謝辞を述べた。 (武井悠)