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搬出路建設へ準備 激戦地土砂 業者、県の許可受け


搬出路建設へ準備 激戦地土砂 業者、県の許可受け 鉱山開発に向け重機を使用した作業が始まった土砂搬出道路の予定地=18日午後3時すぎ、糸満市米須
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 【糸満】糸満市米須の鉱山開発で、開発業者の沖縄土石工業は18日、土砂搬出道路の建設に向けた準備作業を始めた。自然壕「シーガーアブ」付近を含む搬出道路予定地の樹木を重機2台で倒して通路を造った。同地の開発を巡っては県が11日に、道路工事に必要となる農地転用を許可していた。
 18日の作業は午前8時ごろに始まり、午後4時ごろに終了した。搬出道路予定地に茂っていた樹木を重機で倒したことで、鉱山に続く道ができていた。入り口には土の流出を防ぐためのコンクリートブロックが並べられ、鉱山権などを示す看板が立てられた。同社によると、同日の作業で「シーガーアブ」の開口部2カ所の間を重機が通ったが異常はなく、遺骨も見つかっていない。
 今後はフェンス設置などの準備作業を経て、搬出道路に砂利や鉄板などを敷いていく。10月中にも琉球石灰岩の搬出を始める計画だ。
 米須の鉱山開発に関しては、防衛省が新基地建設の土砂採取の候補地に南部を加えたことを受け、沖縄戦戦没者の遺骨が混入する恐れがあるとして市民団体などが反対している。遺骨が見つかった場合、沖縄土石工業は県との合意に基づき、採掘作業を中断して遺骨を収集する。(岩崎みどり、岩切美穂)
鉱山開発に向け重機を使用した作業が始まった土砂搬出道路の予定地=18日午後3時すぎ、糸満市米須