石垣市真栄里の商業施設の建て替え工事現場で、沖縄戦時に日本軍が造ったとみられるトーチカ(コンクリート製の防御陣地)が見つかった。市教育委員会文化財課が25日、報道陣に公開した。
今後、測量調査などをし、2024年度に調査報告書を刊行する予定。トーチカは10月5日には建設業者へ引き渡し、10月中に取り壊されるという。
今年3月、建設業者が草木を除去している際にトーチカを見つけた。市教委は地名などを由来に「真栄里宮鳥トーチカ跡」と名付けた。
サンゴや貝殻が付着し、津波で押し寄せたとみられる琉球石灰岩と、セメント、一部モルタルでできている。大きさはおよそ幅6・3メートル、奥行き4メートル、高さ2・4メートル。北側と東側には出入り口があり、南側と西側には銃眼がある。壁は45センチと厚みのある造り。
内部は縦横約2・8メートル、2・7メートルの広さで、人が立てるほどの高さという。壁面にコンクリートがくりぬかれた棚のようなものが2カ所ある。屋根の上には造成時に使用したセメントが入った袋が残っていた。周囲からは薬きょうも出土した。 (照屋大哲)