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「公表遅い」「認識が甘い」 PFAS流出、県の対応に専門家や市民から厳しい声  


「公表遅い」「認識が甘い」 PFAS流出、県の対応に専門家や市民から厳しい声   沖縄県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 発がん性などが指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が、那覇市泉崎の県庁の地下駐車場から流出し久茂地川まで流れ込んだ問題で、環境問題に詳しい専門家や市民からは、県の公表の遅さやPFASに対する認識の甘さに厳しい声が上がった。

 市民団体「宜野湾ちゅら水会」の町田直美さんは、「またか」という気持ちになった。「米軍にPFAS問題を訴える側の県が、このような問題を起こしてしまったのは残念」とした。その上で「事故が起きた時点で、どう対応するか発表すれば不安もなかった。問題が起きた際にはしっかりと県民に伝えるようにすべきだ」と訴えた。

 問題は、国連で知事が米軍PFAS問題を訴えて戻った直後に発覚した。環境問題に詳しい沖縄大学の桜井国俊名誉教授(環境学)は、7月に那覇市の2施設でも流出があったことに触れ「地下駐車場がある施設の管理者は、これらを警告と捉えてPFASが含まれていないか確認する必要がある」と話し、県の認識の甘さを指摘した。  

(慶田城七瀬、玉寄光太)

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