県立博物館・美術館の平良孝七展で図録の誤りなどがあった問題で、図録の発行元となっている出版社は5日、図録の在庫約1200冊を断裁処分した。「平良孝七展の修正を求める会」の要請などを受け、美術館が出版社に在庫の処分を要望していた。
出版社の役員は取材に「図録のデータを制作したのは美術館で、私たちは印刷しただけということ(認識)だった。県なのでこういう不手際があるとは想定していなかった。残念だが、処分したことで区切りがつくのではないか」と話した。
図録は全部で2千冊。この問題に関する美術館の検証チームの中間報告案は、既に図書館などに配布したり一般販売したりした約800冊は回収せず、検証内容を図録の別冊としてまとめ、所有者に配布する方針を示している。 (伊佐尚記)