「不具合…制御できるのか」「無力感」 米軍の無人機MQ9、嘉手納配備に不安の声 沖縄


「不具合…制御できるのか」「無力感」 米軍の無人機MQ9、嘉手納配備に不安の声 沖縄 米軍嘉手納基地(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【中部】米空軍の無人偵察機MQ9が11月ごろから米軍嘉手納基地に配備される計画に、基地周辺の住民からは安全性を不安視する声や、新たな機体配備への不満とともに、「問題が立て続けに起きてむなしさも感じる」などと声が上がった。

 旅行客でにぎわう北谷町で観光業に携わる20代女性は「人が操縦しても事故は起きる。無人機となると、何か不具合が発生した時に制御できるのか」と不安を漏らした。

 基地のすぐそばに住む嘉手納町の60代男性は「今までになかった機体が配備されることを住民は歓迎しないと思う。それでも決まったことは覆らないから、事故だけは起こさないでほしい」と話した。その上で「湾岸戦争の直前は急に深夜の離着陸が増えたのを覚えている。新しい動きがあると、戦争が起きるのではないかと考えてしまう」と表情を曇らせた。

 「正直なところ無力感が漂っている」。そう話すのは沖縄市の池原自治会長の喜友名朝敬さん(63)だ。5日に地域の集まりで聞くまで知らなかったという。池原には陸上自衛隊沖縄訓練場に新たな補給拠点が整備される計画もあり、「無人偵察機の話題はあまり上がってこない。さまざまな問題が立て続けに起きて、自治体ではどうしようもないというむなしさも感じている」と述べた。

(福田修平、名嘉一心)