国の文化審議会は20日、与那国町のサンニヌ台を国の天然記念物と名勝に新たに指定するよう盛山正仁文部科学相に答申した。石垣島平久保のヤエヤマシタン自生地も、国の天然記念物に追加指定される。県内の天然記念物は今回で52件目、名勝は14件目になる。
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与那国町のサンニヌ台は島東部の南島岸に位置し、急崖(きゅうがい)や大地状の地形が約1・3キロにわたって続く岩石海岸。砂岩のしま模様の地層と直線的な割れ目や断層に沿って、風化と浸食が進行し、特徴的な地形になっている。地質はユーラシア大陸から運ばれた砂や泥などを起源としていて、良好に保存されている化石や地殻変動の痕跡が琉球列島の変遷を知るために貴重と評価された。
石垣市のヤエヤマシタンは、1959年に琉球政府が平久保に自生する巨樹2本を天然記念物に指定、日本に復帰した72年には国指定となった。今回は名称を「石垣島平久保のヤエヤマシタン自生地」と改め、2本を中心に後継木が多数生息している8566・32平方メートルを追加指定した。すでに国指定となっていた2本は樹齢100~150年とされる老木で、近年は害虫被害も確認されている。環境の維持向上のため、自生地一帯を保護する目的がある。
玉城デニー知事は「2件とも地域の人々が古くから大切にしている場所であり、地域の励みになる」とコメントを発表した。(嘉数陽)
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