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「米中衝突で沖縄戦場に」 大阪で集会 南西防衛強化を考える 布施さん、山城さん講演


「米中衝突で沖縄戦場に」 大阪で集会 南西防衛強化を考える 布施さん、山城さん講演 大阪市内で開かれた集会で講演するジャーナリストの布施祐仁さん=21日午後
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄を含む南西諸島の防衛力強化を考え直そうと、市民団体による集会が21日、大阪市内で開かれた。安保問題に詳しいジャーナリスト布施祐仁さん(46)と「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」事務局長の山城博治さん(71)が講演。「米中に挟まれ、日本が、沖縄が戦場になってしまう」と政策転換を求めた。

 布施さんは、岸田政権が進める反撃能力(敵基地攻撃能力)を持つミサイル配備を含む防衛費増額は「バイデン米政権の安全保障戦略に合わせたもの」と指摘。中国軍を東シナ海に封じ込める米軍の構想に基づき、南西諸島に自衛隊が配備されているとして「台湾有事では、米軍は自衛隊と一緒に民間の港や空港を使う。その訓練が今始まっている」と話した。

 また、米中戦争の際には日本が戦場になると強調。「米軍主力は危険な日本から離れ、前線を自衛隊に担わせようとしている」と述べた。布施さんは「日本は戦争を避けるための外交ではなく、戦争のための対策ばかりしている」と批判した。

 山城さんは太平洋戦争の沖縄戦を例に「ミサイルが飛んできたらまた県民が犠牲になる。戦争が起きれば、自衛隊はまた県民を『邪魔だ』と追い出すだろう」と南西諸島の防衛強化を非難した。集会には約500人が参加した。

(共同通信)