県立埋蔵文化財センターは22日、発掘調査が進む中城(なかぐしく)御殿(うどぅん)跡の一般向け現地説明会を那覇市首里大中町の同跡地で開催した。朝から計4回の説明会で合わせて約80人が参加した。
説明会では中城御殿跡周辺を囲む約25メートルにわたる石積みの範囲や状態を紹介した。人目に触れる外壁の石積みは表面がきれいに加工されていることや、土圧に耐えるための補強の石積みが外壁裏側に発見されたことを報告した。
発掘調査では中国産陶磁器の破片やかんざし、キセルなどが出土している。沖縄戦当時は日本軍の宿舎として使用されていたこともあり、戦時中の懐中電灯やタイヤを加工したぞうりなども出土しており、歴史的な移り変わりを感じることができる。参加者は出土品の展示物を手に取ったり、写真に収めたりしていた。
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説明会に参加した西江徳雄さん(71)=宜野湾市=は琉球王国時代の遺跡に興味があると言い「専門家の説明を聞きながら御殿跡を見ることができ、充実した内容だった。ロマンを感じることができた」と話した。
中城御殿は、次の琉球国王となる王子が暮らしていた邸宅とされる。17世紀前半に現在の首里高校(首里真和志町)の敷地内に創建され、1875年に首里大中町に移転した。沖縄戦で焼失した後、琉球政府立博物館(現在の県立博物館)が建設された。発掘調査は2007年度から実施されていて、調査結果を基に今後、公園として整備する計画。
(渡真利優人)