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「自分のルーツ知りたい」ボリビアの高校生ら、沖縄で研修 三線にも挑戦 県系含む11人


「自分のルーツ知りたい」ボリビアの高校生ら、沖縄で研修 三線にも挑戦 県系含む11人 南風原高の生徒に胡弓の演奏を教わるボリビアの生徒(右)=23日、同校
この記事を書いた人 Avatar photo 高橋 夏帆

 ボリビアに住む県系の高校生らが22日から約2週間の日程で沖縄を訪れ、農業・畜産や伝統文化の研修などを通して県内の高校生らと交流している。ウチナーンチュとしてのアイデンティティーの継承に加え、ボリビアの社会的な課題解決に役立つ技術や知識を学ぶ。福祉を学ぶ高校や大学の農学部なども訪れるほか、ホームステイも体験する予定だ。

 ボリビアから来沖しているのは、県系を含む高校生11人と引率教員2人の計13人。24日は南部農林高校を訪れ、質の高い肉質の和牛を育てる手法について同校の教員が伝えた。牛舎で質の高い肉を生産するために育てる環境づくりやえさの考え方などを学んだ。

南部農林高校の生徒らが育てる牛に触れ、ブラッシングするボリビアの高校生ら=24日、豊見城市の同校

 23日は南風原高校で郷土文化コースの2、3年生24人と交流した。ボリビアの生徒たちは、南風原高校の生徒たちの指導を受けながら空手や琉球舞踊も体験した。琉舞の地謡として三線など伝統楽器に挑戦した。

 ボリビアからの参加者のうち、父方の祖父母が旧具志頭村(現八重瀬町)出身で県系3世の諸見謝春夏さん(18)は初めて沖縄を訪れた。「自分のルーツについてもっと知りたい」と参加した。高校卒業後はホンジュラスの農業大学へ進学する。南部農林高で牛を育てる日本の仕組みに触れ「この方法を(ボリビアでも)取り入れたらいいと思う」と語った。

 南風原高では胡弓を体験した諸見謝さんは「祖父が作った胡弓が家にある。今日で少し弾けるようになった。素晴らしい体験だった」と笑顔を見せた。

 (高橋夏帆、古堅一樹)