有料

平和構築、歴史教訓に 北京大でシンポ 文化交流を再確認


平和構築、歴史教訓に 北京大でシンポ 文化交流を再確認 意見を交わす琉球・沖縄学術問題国際シンポジウムの参加者ら=28日、北京大学
この記事を書いた人 Avatar photo 新垣 毅

 【北京市で新垣毅】琉球・沖縄の歴史や東アジアとの関係などについて意見を交わす第4回琉球・沖縄学術問題国際シンポジウム(北京大学歴史学系など主催)が28日、中国の北京大学で開幕した。沖縄側16人、中国側41人の研究者らが参加した。沖縄と中国について琉球王国時代からの長い歴史的関係、文化交流を再確認し、沖縄が置かれた現在的問題を歴史の教訓を基にどう平和を築くか、提起し合った。

 中国側から、沖縄は軍事力が強化され緊張が高まっているとして「沖縄は軍事のターミナルになるのか、平和の拠点になるのか、岐路にある。平和の拠点であってほしい」との趣旨の発言が複数あった。

 又吉盛清沖縄大客員教授は沖縄の参加者を代表し「沖縄は万国津梁(しんりょう)の力を発揮し人間の尊厳を問い、生き残れる体制を築いていきたい」とし、交流の大切さを強調した。

 松島泰勝龍谷大教授は「琉球民族の遺骨返還運動から明らかになった歴史文化の源流」と題し報告。「旧京都帝国大の研究者による盗骨は琉球民族の同化が目的だ。遺骨返還裁判で返還が認められなかったのは、今も沖縄が植民地下にあることの証しだ」と述べた。

 後田多敦神奈川大教授は「首里城正殿大龍柱の向き改ざん問題とその歴史的意味」について説明し「向きの問題は史実の問題ではなく主権の問題だ」と強調した。