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沖縄の基地問題は「国際問題」、北京大でシンポ 「主権」の所在を巡る報告も


沖縄の基地問題は「国際問題」、北京大でシンポ 「主権」の所在を巡る報告も 琉球・沖縄と中国の交流の歴史について研究成果を発表し、意見を交わす第4回琉球・沖縄学術問題国際シンポジウムの参加者ら=29日、中国・北京市の北京大学
この記事を書いた人 Avatar photo 新垣 毅

 【北京市で新垣毅】琉球・沖縄の歴史や東アジアとの関係などについて学術的な意見を交わす第4回琉球・沖縄学術問題国際シンポジウム(北京大学歴史学系など主催)の2日目が29日、中国の北京大学で開かれ、閉幕した。沖縄、中国双方の識者らは、中国、日本、米国という3大国の間で揺れ動いてきた琉球・沖縄の地位や、現在に至る沖縄の基地問題について、長期的、大局的にみれば国際問題であることが強調された。

 中国側は、明・清国時代における琉球王国との冊封・進貢関係や1609年の薩摩侵略以降「日中両属」といわれてきた琉球の位置付け、戦後米国統治下の沖縄が国際法でどう位置付けられるかなど「主権」の所在を巡る研究成果を報告した。

 沖縄側から沖縄戦研究者の川満彰氏と、むぬかちゃーの知念ウシ氏が、沖縄戦時の沖縄県知事島田叡氏を「顕彰」する動きや映画の危険性を指摘。川満氏は「南西諸島の軍事力強化と並行して島田氏の戦争責任の隠蔽(いんぺい)や改ざんが進んでいる」と指摘した。「日本のアジアへの侵略戦争という加害者としての記憶を消去し、都合の良い物語に変えられている」と強調した。

 大阪大大学院生の石川勇人氏は沖縄戦体験者の聞き取り調査の研究を報告した。

 北京工業大講師の大城尚子氏は国際法で保障された、人々が故郷へ帰る権利である「帰還権」を説明。「日米両政府は米軍基地のために土地を奪われた沖縄の人々の帰還権を恣意(しい)的に奪っている」と指摘した。沖縄タイムス記者の嘉数よしの氏は基地問題や自衛隊の南西シフトに対する県民世論の状況などを説明した。

 シンポの後、音楽家の喜納昌吉さんと金城吟子さんが演奏し、「花」などを歌い、会場を盛り上げた。