照屋勇賢さんが沖縄で大規模個展スタート 日常品や紅型で表現 県博・美術館で1月まで


照屋勇賢さんが沖縄で大規模個展スタート 日常品や紅型で表現 県博・美術館で1月まで 照屋勇賢さんの作品「来るべき世界に」(2004年制作)=3日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館
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 南風原町出身でニューヨーク、ベルリン、沖縄を拠点に活躍する現代美術家の照屋勇賢さん(50)の大規模個展「照屋勇賢 オキナワ・ヘヴィー・ポップ」が3日から、那覇市の県立博物館・美術館で始まった。同日、開会式が行われた。来年1月21日まで。

関係者と風船カットを行う照屋勇賢さん(先頭)

 照屋さんの作品は紙袋や新聞、風船などの日常品や伝統工芸の紅型を用いて、現代沖縄を取り巻く状況を投影している。作品の一つで2004年に制作された「来るべき世界に」は、当時の沖国大ヘリ墜落事故で、規制線の中にピザの配達員は入れたというエピソードをピザの箱を用いて風刺している。

 個展の開催に際し、現在ベルリン在住の照屋さんは「多くの人たちの理解と愛情があって作品展を開催することができた。僕だけではなく関わった人たちの存在と沖縄を感じていただければ」と語った。

 開催を記念した風船カットも作品の一つとして展示されたほか、開会式後には照屋さんによる作品解説も行われた。来場者は作品にかけた思いとユニークな発想に耳を傾けていた。

 観覧料は一般1200円、高校・大学生800円、小・中学生500円。
  (渡真利優人)