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米軍刑法犯、過去10年で最多54件 沖縄23年1~9月 昨年は全国の半数を沖縄占める


米軍刑法犯、過去10年で最多54件 沖縄23年1~9月 昨年は全国の半数を沖縄占める
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 沖縄県内で発生した米軍人・軍属、その家族による刑法犯の摘発件数が、2023年1~9月末で54件となり、過去10年で最多だった22年の1年間の件数と同数となったことが3日までに分かった。10月以降も首里高校への侵入事案などが発生しており、過去10年で最多となるのは確実。県は米軍に綱紀粛正を求めることを含め、対応を検討している。

 米軍関係の刑法犯を巡っては、22年に全国で摘発された106件の半数を県内の事件が占めていた。23年の県内の摘発件数の増加で、沖縄に被害が集中する現状が改めて浮き彫りになった。

 県基地対策課によると、今年9月末時点の刑法犯の内訳は凶悪犯が1件、粗暴犯が3件、窃盗犯が26件、風俗犯が1件、その他が23件。昨年1年間の累計と比較すると、窃盗犯が12件増加した。

 県警は「新型コロナの影響による活動自粛が解除され人流が活発化し、街頭犯罪などが増加したことが一因とみられる」としている。

 県は10月27日に嘉手納基地で18航空団側に対し、綱紀粛正の必要性について言及。県関係者は「年末年始にかけて外出や飲酒の機会が増え、飲酒運転を含む犯罪も増える傾向がある」と警戒感を示した上で、米軍に対し改めて綱紀粛正と隊員教育の徹底を求めることも検討していることを明らかにした。

 米軍関係者による事件・事故を巡っては政府は今年5月に高良鉄美参院議員の質問主意書に対し「本来起きてはならないものだ」とした上で「米側に対して綱紀粛正等を随時働きかけており、防止に向けて引き続き、米側とともに取り組んでまいりたい」と回答していた。

 (知念征尚)