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歩いて爽快、景色を満喫、時には「寄り道」も…ひやみかちなはウォークに3228人 笑顔あふれる那覇路


歩いて爽快、景色を満喫、時には「寄り道」も…ひやみかちなはウォークに3228人 笑顔あふれる那覇路 雨が上がり、思い思いのペースでゴールを目指す奥武山まーいの参加者ら=12日、那覇市旭町(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 吉田 健一

 歩くことの習慣化と健康増進などを目的に、第10回那覇市健康ウォーキング大会「ひやみかち なはウォーク2023」(那覇市、琉球新報社など実行委員会主催)が12日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇を発着点に開催された。

 2~20キロの7コースに計3228人が参加した。小雨が降る中、参加者は那覇市内の名所旧跡や景色を楽しみながら思い思いのペースで歩いた。スタジアムのエントランス広場では「なは健康フェア」も同時開催され、大会参加者は完歩後に体の健康チェックをした。 

 午前8時、7コース中最長の首里城まーい(20キロ)で幕開けした「なはひやみかちウォーク2023」。大会初参加の比嘉七海さん(33)=那覇市=は那覇高時代からの友人2人と首里城まーいに参加。29歳の誕生日になじみ深い首里城正殿が焼失した。以来、足が遠のいていたが、ひやみかちなはウォークを機に久々に首里城や玉陵などを訪れた。首里城まーい最大の難所、金城町の石畳では、疲れを見せることなく「きょうをきっかけに好きだった首里城をまた訪れたい。多くの人が見ることでより良い復興につながると思う」と笑顔で語った。
 高層ビルが立ち並ぶ新都心地域や那覇市第一牧志公設市場などを回る、今昔マチグヮーまーい(15キロ)に参加した日高友美さん(43)は、子どもが通っていたサッカーチーム「伊良波シューターズ」の元保護者とそろいのピンクのTシャツを着用した。「ひやみかちなはウォークがいいのは『寄り道』ができること。普段なかなか歩かない場所も歩けて楽しい」と笑い、飲食店に入っていった。
 同じく今昔マチグヮーまーいを歩いていた上原芳幸さん(48)=沖縄市=は妻の美穂さん(47)、長女の颯花(ふうか)さん(11)、次男の颯叶(りゅうと)さん(8)の家族4人で、思い出づくりのために参加したといい「子どもはすぐに大きくなるね」と目を細めた。
 ひやみかちなはウォークの常連でラジオ沖縄の番組「ROcK魂手箱」のリスナーメンバーらと参加した町田宗仁さん(57)=沖縄市=は「宇宙人に捕らえられた人」のコスプレで登場した。「首里城など普段はなかなか来ることができないところを歩けるのが楽しさであり魅力だ。きょうは那覇を満喫したい」と語った。


 大会にはボランティアによる給水所が7カ所設置され、疲れた表情をのぞかせる参加者に笑顔で水や黒砂糖などを配った。首里城近くの給水所では、当蔵自治会と城西小学校区まちづくり協議会のメンバーが首里に至る坂道を登り切った参加者にスポーツドリンクなどを手渡した。同協議会会長の前田曉寛さん(47)は「首里は首里城だけではなくいろいろな遺跡があり、王国時代の道が約7割残っている。きょうだけではなくまた首里を歩いて歴史のロマンを感じ取ってほしい」と語った。
 なはウォークは参加者が沖縄戦について考える契機にもなった。那覇市天久在住の東恩納未来さん(38)は、沖縄戦の激戦地シュガーローフがあった場所に初めて足を踏み入れた。「新都心に住んでいるのに来たことがなかった。きょうは歩きながら沖縄戦について友人らと話した。参加して良かった」と語った。

 (吉田健一)